当社のサービス品質(エレベーター)
エレベーターメンテナンスの必要性
高度な機能で修理が難しい設備
エレベーターは、誰にでも簡単に利用できる身近な乗り物ですが、利用者からは見えない高度な制御回路と精巧な機械構造を有しています。
公共性の高さ
「建物の縦の公共交通機関」とも呼ばれ、子供からお年寄りまで、誰もが利用する公共性の高い設備です。
使用期間の長さ
建築に付帯し、長期間使用される設備です。
高度な機能
数万点に及ぶ部品で構成。不特定多数の人が自ら操作し、ボタンを押すだけで自動運転が行われる高度な機能です。
部品修理の難しさ
建物に直接組み込まれる部品が多数あり、簡単に部品を取替えたり、修理することが難しい設備です。
エレベーターの法令とは︖
昇降機を常時適法な状態に維持するための具体的な方法が国土交通省より公表され、所有者・管理者に以下の役割が求められています。
エレベーター維持管理の法令
- 建築基準法 第8条/常時適法な状態に維持するように努めなければならない。
- 建築基準法 第12条3項/定期検査を行い、特定行政庁へ報告しなければならない。
故障がなければ、使い続けても大丈夫︖
いいえ、エレベーターを長く安心してご利用いただくためには、適切なメンテナンスが必要です。
- 長期間使用による物理的劣化は避けられませんが、定期的なメンテナンスが重要です。
- 故障が発生する前に異常を発見。部品交換など適切なメンテナンスを行うことで、エレベーターの性能を維持し、故障を予防します。
きめ細やかな点検内容
当社の“エレベーターメンテナンス”は、必要最低限の保守点検内容を細分化し、約140項目を大きく上回る約400項目を点検しています。
設計・製造部門と一体となり、約24万台超のメンテナンス実績で
培った独自の技術・ノウハウで、高品質なサービスを提供しています。
- 「昇降機の適切な維持管理に関する指針」および「エレベーター保守・点検業務標準契約書」…エレベーター等の安全性維持のために所有者・管理者が参加すべき指針/契約書(国土交通省 発行)。「建築保全業務共通仕様書」… 各省各庁の施設管理者が官公庁施設の保全を実施するための基準(国土交通省 監修)。
- 三菱機械室レス・エレベーター「A X I E Z- L I N K s 」の標準的な仕様の場合(エレベーターの機種によって異なる場合があります)。
エレベーター重要機器の点検方法(例)
ブレーキ点検
五感を活用した点検(異常な汚れ、油付着・摩耗粉等有無、異常音有無、異常発熱、異臭有無等)を行っています。
- ブレーキは巻上機内部に設置され、回転するドラムの内側に左右1個ずつ、計2個あります。
- エレベーターが動き出す際には、シューが内側に移動することにより、ブレーキが開きます。停止する際は、シューが外側に移動し、ブレーキライニングがドラム面に押し付けられ、ブレーキが閉じます。
- 重要な「ブレーキライニングとドラム面の隙間確認」は、髪の毛一本よりも細いという大変シビアな精度で点検を行っています。
ロープ点検
- 細い素線と言われる針金のようなもの19本を撚って一束としたものをストランドと呼びます。
- ストランドを8本撚り合わせたものがワイヤーロープです。中心には油を含んだ繊維心があり、ワイヤーロープの錆防止とロープ自体の柔軟性の確保をしています。
- 目視やノギスを使用して点検(錆の有無、素線切れ発生有無、摩耗による直径縮小の有無など)を行っています。
- 高層ビルや機械室レスエレベーターは、ロープ全長が長いため、使用状況に応じてロープ専用のテスターやカメラの点検ツールを用いて、目視では確認しにくいロープ内部の素線切れ等を、短時間に高い精度で点検しています。
リモート点検システムでの遠隔点検・診断方法
当社の 遠隔診断項目 計 17項目 |
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運転機能 | 運転性能 | 加減速度 |
異常音 | ||
戸開閉 | 開閉負荷・開閉時間 | |
制御スイッチ動作点 | ||
ブレーキ性能 | 両側静トルク | |
片側静トルク | ||
静トルク・動トルク | ||
非常用動力バッテリー | ||
かご制御機器機能 | 速度制御機能 | |
非常停止機能 | ||
フロア検出機能 | ||
外部連絡装置機能 | かご内インターホン | |
積載質量検出センサー | ||
運転機能 | 地震時管制運転機能(EER) | |
火災時管制運転機能(FER) | ||
自家発管制運転機能(OEPS) | ||
冠水時管制運転機能(PER) |
※エレベーターの機種およびオプションにより項目は異なります。
全国規模のサービス体制
メンテナンスのエキスパートが
お客様のエレベーターを24時間365日見守り続けています。
情報センター/全国8カ所
- 24時間・365日受信
- 約70年蓄積したデータ
- エンジニアの動静把握と緊急出動指示
- エンジニアへの復旧サポート
物流・資材センター/全国8カ所
- 24時間・365日供給
- 約100万点の部品保管
- 約15,200品目から自動検索・出庫
サービス拠点/全国約280カ所
- エンジニア約6,000人
- 昇降機検査資格者約3,000人
- 1台ごとの保守設計・作業計画
- 24時間・365日異常・故障対応
教育センター
- 年間延べ55,000人が受講
- 約100種目の教育カリキュラム
- 新旧約70台の実機設備
- 実機研修と技能認定試験
- 基礎教育3年+専門技術研修
技術サポート・開発部門
- 全機種別保守設計・開発
- 総合的な定期保守計画
- 総合品質チェック
- 独自保守ツール開発
- エンジニアへの技術サポート
設計開発・製造部門
設計思想・専門技術の継承
- 設計・生産
- 製品情報提供
- 保守開発
- 技術サポート
- 人材サポート
約70年のノウハウを結集した教育体制
全国のエンジニアは、研修施設「教育センター」で基礎・専門教育を実施。加えて職場教育(OJT)により日々技術研鑽を怠りません。
近年の大規模災害時の対応
いつ起こるかわからない災害から人と社会を守るため非常時の対応力も備えています。職場教育(OJT)により日々技術研鑽を怠りません。
- 当社は、全国規模のネットワークによる情報力と連携力で、被災したエレベーターの早期復旧に努めます。
- 現場にいち早く向かい、動員力と技術力をもって、早期救出や復旧にあたります。
東日本大震災
2011年3月11日(金) 14:46
最大震度7/M9.0
昇降機停止台数:約59,000台※1
全国からエンジニアを被災地に派遣。当社も物流センターの自動倉庫損傷、支店や営業所の損傷・閉鎖を強いられるなか、総力をあげて復旧対応にあたりました。
- 発生から3日後の復旧率︓約94%※2
- 東北地方を中心とした被災地へ、全国から約600名※3を派遣
- 2011年3月11日~3月13日の3日間で発生した本震・余震などにより、停止した全社延べ台数。
- 物損および建物側の被害によるものを除く。
- 2011年5月31日までの東北支社、関越支社受入れ応援者の延べ人数。(ファシリティ部門など含む)