一覧ページへ戻る

掲載のデータは発表当時のものです。価格・仕様について変更する場合もございます。

2006年10月04日

三菱電機ビルテクノサービス株式会社

国内初の技術開発、地震時エレベーター自動診断&復旧サービスを「ELE-Quick(エレクイック)」の名称で10月10日より運用開始

 “ビルを、まるごと、心地よくする”-三菱電機ビルテクノサービス株式会社(本社:東京都、社長:岡部季生)では、2004年4月から遠隔点検・診断技術を応用した地震時のエレベーター復旧技術の開発に三菱電機株式会社と共同で着手し、2005年12月に国内で初めて技術開発に成功しました。

 その後、診断・復旧運転のデータを遠隔収集するなど周辺整備を進め、このたび、地震時エレベーター自動診断&復旧サービス「ELE-Quick(エレクイック)」の名称で2006年10月10日から運用開始します。
  ※「ELE-Quick(エレクイック)」の紹介ページはこちら

 これは、地震によるエレベーターの物的損傷の有無を自動で診断し、運転に支障がない場合には地震後約30分以内で自動復旧させるサービスで、初年度は、当社と保守管理契約を締結いただいた三菱機械室レスエレベーター「AXIEZ(アクシーズ)」を対象に、800台の導入を計画しています。

◆運用開始の背景

 当社が国内で保守管理させていただいている約19万台のエレベーターのうち、およそ11万台に「地震時管制運転装置」が装備されています。この装置は、地震感知器によって初期微動(P波)または、一定のレベル以上の地震動を感知した場合に、エレベーターを最寄階に停止・着床させてドアを開き、利用者の閉じ込めと被害拡大を防止するものです。作動後は、二次災害防止のため、地震の揺れによる建物の損傷などにより、エレベーターの走行に支障が生じないか、エンジニアが現場で安全確認を行なった上で復旧させることにしています。

 しかし、地震の規模によっては復旧するまでに相応の時間を要し、上層階にお住いの方や高齢者・小さなお子様などの日常生活に支障をきたす恐れがあることから、一刻も早く安全に運転を再開することが望まれていました。

 当社では、かねてより三菱電機株式会社と共同で同技術の研究を進め、2005年12月に国内で初めて開発に成功しました。その後、診断・復旧運転のデータを遠隔収集するなどの周辺環境整備を進め、この度運用を開始することとなりました。

 また、国土交通省のエレベーターの地震防災対策の中でも、「自動診断・復旧システム(仮称)」として、エレベーター昇降路内の状況を自動診断し二次災害の危険性がない場合に仮復旧させるシステムが報告されており、早期の実用化が期待されています。

◆自動診断の対象となる地震規模

地震発生
  地震感知器が、「特低レベル」の加速度値(Gal値)を検知した場合
  ⇒最寄階へ停止し、一定時間後に運転を再開。
  地震感知器が、「高レベル」の加速度値(Gal値)を検知した場合
   ⇒最寄階へ停止し、一定時間後に戸が閉まり運転休止。保守員による確認を実施。
  地震感知器が、「低レベル」の加速度値(Gal値)を検知した場合
  ⇒最寄階へ停止し、一定時間後に戸が閉まり運転休止。その後、自動診断へ。
自動診断の対象となるのは、地震感知器が「低レベル」の加速度値の地震動を検出した場合となります。

(参考) 地震感知器の検知レベル別のGal値 <例>

地震感知器
の位置

機械室(最上階の上)に
設置されている場合

ピット(最下階の下)に
設置されている場合

特低レベル

80Gal以上

30Gal以上

低レベル

150Gal以上

60Gal以上

高レベル

200Gal以上

80Gal以上

 なお、自動診断の対象となる加速度値は、エレベーターの機種や耐震強度、地震感知器の設置場所などにより異なります。

◆自動診断の方法

1.安全装置の正常の確認と乗客の有無の確認

 地震時管制運転によりエレベーターを停止した後、「①エレベーター内の防犯カメラによる画像解析技術(※)や秤装置などを用いてかご内に利用者がいないこと」「②安全装置が正常に動いていること」
を確認します。
  ※三菱エレベーターリモートメンテナンス契約(エレファースト)の防犯カメラ録画サービス契約が必要です。

2.段階的にスピードを上げながら異常有無を自動診断運転

 確認後、微速走行・低速走行・通常走行、スピードを段階的に上げながら異常の有無を診断。戸開閉診断の後、自動診断運転を終了します。

3.自動診断運転で異常がなければ約30分で自動復旧し、長時間停止を回避

 診断運転後に異常がないと診断した場合は、運転休止から約30分程度で、自動的に仮復旧させることができます(この時点でエレベーターの利用可)。その後エンジニアによる安全の再確認を行い、本復旧とします。

◆対象機種・適用条件

<対象機種>
三菱電機製標準形機械室レス・エレベーター「AXIEZ(アクシーズ)」

<適用条件>
・上下走行距離30m (10階程度) 以下
・3段設定地震感知器つきの、「P波センサー付地震時管制運転装置」または「地震時管制運転装置」の装備
・当社との遠隔監視サービス機能付き保守契約の締結

※なお、1997年以降に販売された三菱電機製エレベーター「GRANDEE(グランディ)」「ELEPAQ-i(エレパックアイ)」「ELEPAQ(エレパック)」や三菱エレベーターリニューアル「ELEMOTION(エレモーション)」にてリニューアルしたエレベーターについては、来年度以降順次サービスを開始します。

◆価格

・「P波センサー付地震時管制運転装置」または「地震時管制運転装置」の保守点検料金に包含します。

(参考)「P波センサー付地震時管制運転装置」「地震時管制運転装置」の保守点検料金

 

フルメンテナンス契約

POG契約

「P波センサー付地震時管制運転装置」の場合

月額2,000円

月額1,500円

「地震時管制運転装置」の場合

月額1,500円

月額1,000円

  

※「ELE-Quick(エレクイック)」の紹介ページはこちら

 

<診断項目>

(参考)

調速機ロープ エレベーターの速度を検出する調速機に用いるロープ
着床装置 センサーによりエレベーターを停止階床に正しく止める装置
終点スイッチ 昇降路の終端に取り付けられ、エレベーターの行き過ぎを防止するスイッチ

以上

お問い合わせ先

三菱電機ビルテクノサービス株式会社
広報室 宮本・長谷河
Tel : 03-3201-8060

[ 印刷用 ] PDFで見るPDFが開きます

Get Adobe Acrobat Reader PDFでご覧になるにはAdobe Acrobat Readerが必要です。無料でダウンロード新しいウィンドウが開きますできます。