日常の点検(2)機械室
機械室の日常点検で特に重要なことは、事故防止のため、関係者以外の立ち入りを禁止することです。
そのほかにも重要なポイントがいくつかありますので、以下の項目を参照し、見落としがないよう注意してください。
機械室レスタイプのエレベーターには機械室がありませんので、このページの内容は適用されません。機械室レスタイプのエレベーターの場合、制御盤、巻上機など、従来のエレベーターでは機械室内に設置されていた機器がピット内に設置されています。当社の専門技術者が最下階の乗場よりピット内へ入り、これらの機器の点検を行います。管理者の方がピット内に入ることはできません。
機械室レスタイプのエレベーターでは、故障等によりエレベーターが停止した場合も最下階の乗場からピット内に入り、復旧作業を行います。特に地下に最下階がある場合は、施錠や障害物などにより乗場へ行くことができないケースがあります。このようなことがありますと、復旧に長い時間を要することがありますので、階段から最下階への立ち入りがスムーズにできるようにしておいてください。
機械室の点検事項
戸は常に施錠を
子供などの第三者が不用意に立ち入ることがないよう、機械室の戸は、常に鍵をかけておいてください。
警告
機械室には、巻上機などの回転する機械が設置されています。 第三者が不用意に立ち入ると、機械に巻き込まれたり、挟まれたりして、事故につながるおそれがあります。
戸や窓の修繕は速やかに
出入口の戸や窓に破損が見つかった場合は、速やかに修繕してください。
注意
戸や窓の破損を放置しておくと、ケガをしたり、第三者の立ち入りで思わぬ事故につながるおそれがあります。
関連備品以外は置かないように
保守点検の支障となりますので、機械室内にエレベーターの備品以外のものを置かないようにしてください。
- 通行に支障をきたさないよう、機械室への通路や階段、出入口の戸の周辺にも、ものを置かないようにしてください。
作業員立ち入りの際はご相談を
建築関係・電源関係の作業を実施する場合など、エレベーターの専門技術者以外の作業員が機械室内で作業にあたる場合は、事前に当社へご相談ください。
消火設備の備えを確実に
消火器等の消火設備を備え付けている場合は、有効期限を確認し、機能・外観の点検を定期的に行ってください。
油圧エレベーターの場合は、出入口付近の見やすい場所に消火器又は消火砂の設置が必要です。
温度は40度以下に
機械室の温度は、原則として40℃以下に維持することが建築基準法施行令など※で定められています。
- JIS A4302「昇降機の検査基準」
- 換気扇など空調関係の機器に故障が発見された場合は、速やかに修理してください。
雨の吹き込み、雨漏りに注意する
窓の閉め忘れなどに注意し、機械室内に雨が吹き込まないようにしてください。
また、機械室の天井が雨漏りしていないか、雨の日などに確認してください。
注意
機械が濡れると故障につながるおそれがあります。
しっかりとした電源の管理を
配電盤のエレベーター遮断器の容量は、適正なものを使用してください。
- 1本のヒューズが溶断したときは、他のヒューズも劣化していることが考えられます。交換は全数同時に行うことをおすすめいたします。
- 電気取扱主任技術者等に依頼して、定期的にヒューズの交換を行うようおすすめいたします。
- 停電などが発生したときの緊急の確認用として、非常連絡先一覧などには電力会社の電話番号も記載しておくと、イザというときに役に立ちます。