• 更新日:2023.11.13
  • 作成日:2022.07.21

エレベーターのしくみ

ロープ式エレベーター

ロープ式エレベーターの駆動方式は、「巻胴式(ドラム式」「つるべ式(トラクション式)」に分類することができます。
エレベーターの誕生は、「巻胴式」から始まりましたが、今日のロープ式エレベーターの多くは「つるべ式」を採用しています。

駆動方式が「つるべ式」のエレベーターは、人が乗るかごと、つり合いおもりがワイヤーロープによって「つるべ式」につながっており、巻上モーターの回転速度を制御して、かごを昇降させる方式です。

「つるべ式」の特徴は、かごとつり合いおもりをつり合わせているため、モーターにかかる負荷が半減され、モーターの容量を小さくすることができることです。
一般的に、エレベーターの機械室は昇降路の最上部にあり、かごを動かす巻上機(モーター)、かごの異常速度を検出する調速機(安全装置)、かごの動きを制御する制御盤等が設置されています。

また、昇降路には、かご、つり合いおもり、その両方をつなぐワイヤーロープ、かごやつり合いおもりをガイドするレール、かごと制御盤をつなぐ制御ケーブル、かごの位置を検出するスイッチ類が設置されています。

速度制御方式は、下記の1~5の方式に代表されますが、現在では、VVVFインバータ方式の採用により、きめ細かい制御および省エネルギー化が可能となりました。

1.交流二段方式
2.交流帰還制御方式
3.ワードレオナード方式
4.サイリスタレオナード方式
5.VVVFインバータ方式

油圧式エレベーター

油圧エレベーターは、油圧パワーユニット、油圧ジャッキ、圧力配管から構成され、パワーユニットより送られてきた油によりジャッキを昇降させる方式で運転しています。 油圧式エレベーターは、人が乗るかごをジャッキで直接押し上げる直接式と、間接的に押し上げる間接式に大別できます。

直接式

かごと油圧ジャッキが直接結合されており、油圧ジャッキの動きが直接かごに伝達されます。
直結式は、かごの積載量が大きく、重量物の運搬に適しています。

油圧エレベーターが多く採用される条件は、次のような場合です。

  • 機械室が建物上部に設置できないとき
  • エレベーターの荷重が建物上部に掛けられないとき
  • 大積載量で昇降行程が短いとき

油圧エレベーターの長所としては、

  • 機械室内の油圧パワーユニットと昇降路内の油圧ジャッキが圧力配管でつながれているので、建物内で機械室の配置が自由に設計できます
  • 建物の上部に荷重が掛かりません

しかし、短所として、

  • 油圧ジャッキを用いているので、昇降行程および速度に限界があります
  • モーター出力は、つり合いおもりでバランスしていないので、ロープ(つるべ)式よりも大きく、消費電力も大きくなります

油圧エレベーターが多く採用される条件は、次のような場合です。

  1. 流量制御弁方式
  2. VVVFインバータによるポンプモータ制御方式

間接式

油圧ジャッキの動きは、油圧ジャッキの先端に設けられた滑車のロープを介して、間接的にかごに伝達されます。
ロープの掛け方は、1:2、2:4ローピングを多く使用しており、油圧ジャッキの移動量に対して、2倍のかご移動量が得られます。

日本国内では、油圧エレベーターの9割以上が間接式を採用しています。

油圧エレベーターが多く採用される条件は、次のような場合です。

  • 機械室が建物上部に設置できないとき
  • エレベーターの荷重が建物上部に掛けられないとき
  • 大積載量で昇降行程が短いとき

油圧エレベーターの長所としては、

  • 機械室内の油圧パワーユニットと昇降路内の油圧ジャッキが圧力配管でつながれているので、建物内で機械室の配置が自由に設計できます
  • 建物の上部に荷重が掛かりません

しかし、短所として

  • 油圧ジャッキを用いているので、昇降行程および速度に限界があります
  • モーター出力は、つり合いおもりでバランスしていないので、ロープ(つるべ)式よりも大きく、消費電力も大きくなります

油圧エレベーターの代表的な速度制御方式は、下記の通りです。

  1. 流量制御弁方式
  2. VVVFインバータによるポンプモータ制御方式
MAIL MAGAZINE

ビルに関わるすべての方に!ちょっと役に立つ情報を配信中

メール登録

RANKING

ランキング